ゆきこ80歳
2009年 09月 25日
PM18時。熱海駅前。
あーもしもし、そちらのお店に行きたいのですがまだやってますかねー?
『もう今日は終わっちゃったのよねー』
えーーーー!!!????
駄目もとで。
なんとかかんとかで今からすぐ行くので開けてもらえないですかねー?
『んーーーーーーーーーーーーーーーー』
なんとかかんとかで一杯だけでも駄目ですかねー?
『んーーーーーーじゃあ開けとくからいらっしゃいよー』
まじっすかー!?
ヤマちゃん渋いっ!渋すぎる!
日常からの脱出に熱海駅前で興奮し、お互いを褒め合うヤマとオレ。
いざタクシーに乗り込み目的地へ。
熱海独特の坂道をほどなく下り、辿り着いたここは知る人ぞ知る
JAZZ喫茶『ゆしま』である。
店の前まで行くと、看板をしまおうとしているおばちゃんが、『あら、いらっしゃい』と
笑顔で迎えてくれウキウキとドキドキで店内へ。
カウンターに座りビールを頼み、軽く飲んだところで早速色んな話しをしてくれるおばちゃん。
北海道からわざわざコーヒーを飲みに来てくれるお客さんの話や、店内に飾られている絵や文字、さまざまなコラージュは全て自慢の息子さんがやってくれてたいう話。自分は『おばあちゃん』とは呼ばれず、名前であるユキコさんと皆から呼ばれている話、いい音楽を聞いているとずっと若くいられる話、店内のタバコのヤニは今までのお客さんの足跡だから、そのままにしているという話、お店が50歳で自分が80歳だという話、昔旦那さんが亡くなった時に色んな愛が自分を包んでくれている事に気付き、寂しいと思った事がないという話、自分にくる毎日が素晴らしく毎日が新しいという話。
たった1時間しか居なかったのに、オカンと息子の関係みたいに楽しみ、また絶対遊びに来る事を約束して『ゆしま』を後にした。
熱海の空と海面を彩る花火を見ながら、出会いの素晴らしさを感じながら酒を飲んだ。
出会いとは一瞬で、人生なんてのも一瞬なんだとしたら、その一瞬をどう生かすかがオレらに求められとるような気がした。
さーまた日常が始まる。
頑張ろー
by anglasadmamoru
| 2009-09-25 14:05